子どもがイライラして荒れてます。どうすれば?

コラム

新年度、なんか子どもがイライラして落ち着かないよ〜という方へのアドバイス。
よくある相談ですが、まとめてみまたのでシェアします。

幼少期から医療でも発達障害としてフォローされていたり、特別支援教育をうけていたり、児童発達支援や放課後等ディで専門的な支援を受けているはずなにに、何故かこういったことがなされていなくて・・というケース、残念ながら本当に多いです。

あくまで一般論です、10歳くらいまでをイメージ。思春期以降のポイントはここに書いたことに加えてさらに別にありますのでいづれ。

子どもと親の疲れや体調はどうか、安全安心な環境か?


まずは親も子どもが疲れてるとか、睡眠時間が短い(ありがち)とか、家や学校が本人にとって安心安全な環境でないとか、そういうことはないかを注意してもしあるならそこから対応しましょう。

ひょっとすると子どもにとってペースやスタイルに合わないのに要求だけは多い学校などで過剰に適応しながら頑張りすぎているのかもしれません。
過剰適応の場合は本人に一見問題はないので、本人も周囲も何故突然?という感じになります。このあたりについては最後の項目でまた述べます。

そして親(保護者)にするとか。自身や支援者のメンタル、フィジカルのコンデションにも注意しましょう。
親や支援者も余裕がないとそのイライラが子どもにも伝わりますから、まず親や支援者が余裕をもてるように愚痴をきいてもらったり、抱えている問題を解決したり、余裕がもてるように助けてもらうところからスタートすることが最初です。

親や子どもに関わる人達が余裕をもつために、使えるリソース(支援)を増やすのは手堅い対応です。
家事援助とか放課後等ディサービスとか、あるいは生活保護や母子手当、特別児童扶養手当など受給できる可能性のある各種手当とかはないでしょうか。

家族に協力をもとめるなど対話をおこない、資源の再資源化も試みましょう。

そのために行政に相談したり、周囲の人と話したり、支援を受けやすくするために親や本人が受診をして診断を得ておくのもアリでしょう。

選択肢を示し仮説で一緒に気持ちをさぐり、予定やルールをきめる



そうして親に余裕ができたら、まずは子どもに本人の気持ちを「ひょっとして○○なのかな?それとも○○なのかな?」と仮説の形で聞いてみましょう。
意外な答えがかえってくるかもしれません。

つぎにその場の状況の意味や、見通しを選択肢を伝え、おめめどうの選ぶメモ®などで、気持ちや行動を選択肢を示して選んでもらいましょう。

そうやって対話の中で合意をえて約束したことをスケジュール、カレンダー(巻カレ®)に楽しみな予定から書いていきましょう。

コミュニケーションの中で「拒否」の選択肢がそもそも見せられていない、気づいていない場合もあります。そうすればイライラして暴れるか、逃げて引きこもるしかありませんね。

今が安全で安心でき、未来にいい見通しが持てれば、自発的に行動するでしょうし、行動の問題は自然と減少していきます。

必ず対話をしながら提案して合意をえて、一緒に予定やルールをきめてください。
そして決めた約束やルールは親の側がうっかり破ってしまわないように注意が必要です。
もしどちらかが守れない場合、予定やルールを変えたい場合、ちゃんと理由を説明して代替案を提示して再度話し合いもういちど約束しなおしましょう。

このあたり意外とできていないことが多いです。

課題と報酬の関係を理解する。



子どもが2段階のスケジュールが理解出来れば

・課題あり→報酬あり
・課題無し→報酬無し

を提示して選んでもらいましょう。
このやり方だと、ニュートラルに聞ければ侵襲的じゃなく提案することができます。
課題や報酬を調整していくことで、それならやってみようというラインがあるはずです。
課題は好きになってもらいたいもの、できるようになってもらいたいもののことです。

・課題あり→報酬なし、報酬不明

などの良くない見通しを押し付けて、イライラさせていることはないでしょうか。

課題も報酬も本人に選んでもらえばいいです。
自分で決めたものなら押し付けられたものよりはるかにやる気も出ます。


そして最初は課題は小さく時間や量を短く少なくする。
それねならやってみようと思える内容と量に調整する、報酬は大きくする。
課題と報酬を見えるようにスケジュールやカレンダーの中に示し、見えにくい時間の流れや経過が見えるようになるようにタイマーなども使いましょう。

報酬は食べ物やお金で釣るのも呼び水としてはありかも知れませんが、だんだん資本主義的じゃないものにしていくのがいいです。食べ物を報酬にしていると将来の肥満に繋がります。
本人が一目おいている人に認められるとか、楽しいさに気づくとか、やった、出来た!という感覚とか、成長する喜びとかそういうものにしていけるといいですね。
そのためには、本人の興味のあるところで、やった、できたが感じられる程度の課題設定が重要で、そのためにアセスメントが必要になります。

そしてかならず安心安全で存在が肯定されるところから、予測可能だけど未知のところへ挑戦して、安心安全で存在が肯定されるところへ戻りリラックスしてポジティブな気持ちでおわれるように、リラクゼーション、フィードバック、リカバリーを忘れずに。
戦場や宇宙旅行から帰ってきたあとにはデブリーフィング(振り返り)や休息が必要です。

もし、そういうことを丁寧にしないとトラウマになります。
あることに苦手意識をもつというのはトラウマ反応です。
学ぶことや人間に苦手意識をもつと、世界がひろがりにくくなってしまいます。

周囲の人は結果や達成ではなく挑戦やプロセスを肯定的に注目してあげてください。

そして、のちのちはこれらのスケジュール、モチベーションを自分で管理できるように。
自分で自分の機嫌をとったり、癒やすセルフケアの力もつけましょう。
そして自分だけでは難しいものは適切な相手に相談できるように援助希求能力も大切です。
そのために、相談を受けた人(特にその相談相手として適当な場合)は必ず相談をしてよかったとおもってもらえるところまではこたえましょう。
自分で直接的に助けられなくてもその辛さを共感したり、助けられる人につなぐことはできます。

そして、これらをやるために本人が好きなもの(ワクワクすることや、ホッとすること)や、嫌いなものや苦手なもの、苦手意識のあるものとその理由を、周囲の人が知ってることが大事です。

そして、だんだん本人も自分のことや周囲の人のことがわかっていけるように対話をつづけるなかで自己理解や社会理解をすすめます。
大事なことは、そうやって好きなもの、出来ることをコツコツ増やし、苦手意識(トラウマ)を持つものを増やさないことです。

個別最適化された育ちの環境のために必要な3つのこと

特に大事なことは

①環境調整
②コミュニケーション支援
③余暇活動支援

の3つにまとめられます。

この3つとも大事ですが、本人の動機を支えるという意味で余暇活動支援がとても大事で、「迷惑をかけない人に、働ける大人に」などという気持ち悪い価値観が蔓延するなか忘れられがちです。

「どんな時もどんな時も僕が僕らしくあるために〜♪好きな物は好きと言える気持ち抱きしめてたい」ですね。

①は環境や時間の構造化(本人にとってわかりやすくなっているか)課題、報酬の設定が適切にできているか。②はASDの場合はPECSやおめめどうなどのAAC(拡大代替コミュニケーション)を用いての視覚的なやりとりが必須です。

課題の設定には学習スタイル、発達段階、動機や興味(報酬)があっているかを見直しましょう。そのためのアセスメントは得意な専門職と一緒にやっていくと近道です。

思春期以降、自分の好きな物や、できることが増え、苦手なこと助けてもらいたいことがわかて言えると、好きなものを通じて仲間を、(嫌じゃなくて楽に)できることを通じて将来は役割や仕事の可能性をさぐって、苦手なことや助けてもらいたことでも社会とつながることができます。

そうやっていけば将来も社会の中でどこかで何かをして楽しく生きていけるようになりますよ。

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