生存権と幸福追求権

コラム

人生の目的をトーク

クリニックのデイケアで人気プログラムにトークというものがある。

メンバーの出したお題に対して、メンバーやスタッフで意見を言い合うというものである。「日々の服やファッションはどう選んでる?」みたいな日常生活のスキルをシェアするテーマから、「人生の目的は?」みたいな哲学的なテーマまでいろいろだ。

ホワイトボードの前で輪になって座り、スタッフのファシリテーションをもとに話をすすめていく。

年代も経験もさまざまで多様性の極みであるデイケアメンバーやスタッフの意見を聞くのは興味深くいろいろ学べて楽しい。

人生の目的というテーマでは、障害や病気をかかえて日々生き抜くので精一杯だ、今が楽しく楽で一日一日の積み重ねていければいいという意見のかたもいれば、家族やペットなどのために生きている、自分が経験したことを伝えたいなどの目的を語る方もいた。 

さて、この「人生の目的」というテーマに自分はなんと答えたか。まず自分が楽で楽しくすごしたい。そのために自分の関わる周囲の人達が、日々健康で文化的な生活をおくれ(憲法25条)、公共の福祉に反しない限りそれぞれの幸福を追求できる(憲法13条)ような社会を維持したい。そのお手伝いを健康の面からおこないエンパワメントし、力関係を排した対話の場を増やすことであると答えた。

日本国憲法にも規定された基本的な権利


これらの条文は日本国憲法にも規定されており、公務員(議員)はまず一番に考えなければいけない基本的な人権である。ひょっとしたらご存じない方もいるかもしれないが、憲法とは国民を縛るルールである法律の親玉などではない。

憲法は公権力が暴走しないように縛るルールであり国民との約束である。
そしてその改正や変更には国民全体での丁寧な対話とそれに基づく合意の形成が必要である。
立候補、または当選した際に議員には憲法テストを義務付けても良いと思うが、憲法を知らず、尊重せず、あまつさえ憲法を憲法でない別のもの(国民を縛るもの)に変えてようとしている政治家が権力を握ったりしており、解釈を恣意的に変え、憲法改正を目論んでいる。 ナチスに学んだあの手口で特に一気に独裁を可能にする緊急事態条項が狙われているようだ。

これ自体明確な憲法違反なのであるが、彼らはそんなことは意に介さない。国民が無知で無関心だからである。

憲法が国民に要請している数少ない条文が憲法十二条である。曰く「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」と国民に努力を求めている。

5月3日は憲法記念日である。
基本的人権や国民主権など憲法の意味を思い返し、選挙に行き小さな声をあげづけよう。

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