医療費負担を軽減できる制度にはどのようなものがあるの?

( 診療中によく聞かれる質問への回答を残していきます。診療も楽に、みなさんも楽になりますように。)

医療費の自己負担分の公費負担制度

精神疾患は短期に集中的な通院治療、あるいは長く継続的な治療が必要になることがあります。
児童はそもそも収入はありませんし、精神疾患・精神障害があると働けない、働けても収入が少ないなど、経済的に苦しくなることも多いものです。

病状が安定しない間は頻回の受診が必要となる場合もあります。
また薬物療法が必要な場合も、最近のお薬(新規の抗うつ薬や、非定形抗精神病薬やADHD治療薬など)では規定の用量用法でも多い場合は薬価が1日1000円を超えることもあり、3割負担でもそれなりの自己負担になります。

自己負担の心配なく安心して療養に専念でき、必要な治療を継続できるために、福祉医療と自立支援医療という医療費の自己負担分の公費助成の制度があります。

市町村ごとで手厚さや適応条件(15歳までか18歳までか、入院での食費の助成の有無など)、現物償還方式の有無などが多少異なるために、詳細は各市町村での確認が必要です。
市町村の財政状況や考え方などにもよりますが、一般的には市より町村などのほうが手厚いことが多いです。

福祉医療に関して

松本市:福祉医療制度(医療費助成制度)のご案内

これは児童や障害者(手帳の級や所得により異なります)、ひとり親家庭などの医療費で、松本市の場合は医療保険の自己負担分を1カ月1医療機関につき500円の自己負担金のみであとは市が負担してくれるというもので、外来、入院、診療科をとわず保険診療の医療費全てに適応になります。
多くの市町村では緑色の受給者証が支給されます。

自立支援医療に悲して

松本市:自立支援医療(精神通院)を受けるには

これは精神疾患で、通院医療が継続的に必要な方が指定医療機関(病院・薬局・訪問看護)において精神疾患に対する治療を通院して受ける際に、医療費の自己負担分を公費で負担する制度です。
うつ病、てんかん、統合失調症、認知症等の精神疾患を有し、通院による精神医療を継続的に要する程度の病状にある方が対象となります。対象となる医療の範囲は、精神疾患及び精神疾患に起因して生じた病態に対する通院による医療とされており、医療保険の適用となるものに限ります。
つまり、精神科のお薬と、その関係する副作用(例えば便秘など)に関するお薬以外(例えば高血圧や糖尿病、脂質異常症などの身体慢性疾患、風邪薬や湿布、花粉症の薬もついでに出してほしいなど)は自立支援医療の適応になりませんのでご注意ください。

デイケアや通院作業療法などのみ他の医療機関を利用する場合など、複数医療機関を指定する場合はその理由書(任意様式又は1年目に添付の診断書の写し)が必要となります。

多くの市町村では灰色の受給者証が支給され、1つの指定医療機関、1つの薬局を市町村に登録し(受給者証にも記載されます)限度額を管理します。
毎年の更新、2年に一度の診断書の提出が必要です。
(新型コロナウイルスの関連で、令和2年3月31日から令和3年2月28日までの間に有効期間が満了する方について、有効期間を1年間自動延長されています。詳細

専用の診断書(当院では私費で3000円)、あるいは精神保健福祉手帳の診断書(2年毎更新)とあわせての申請が可能です。精神保健福祉手帳は初診から半年間の通院治療後に申請が可能になりますので、そのタイミングであわせて申請される方が多いかと思います。

松本市の場合、自己負担額は原則1割で、また、受診者の収入や世帯の所得などに応じて、月額自己負担上限額が設定されます。低所得でなくても継続的に相当額の医療費負担が発生する方(「重度かつ継続」)には、月当たりの負担額に上限を設定されます。ただし松本市の国民健康保険加入者は、自己負担が0円となります。

障害者手帳(療育手帳、精神保健福祉手帳、身体障害者手帳)の等級によっては、福祉医療の適応になる場合もあります(市町村ごとで異なります)。健康保険の種類や通院頻度やお薬の有無、薬価などで、診断書料や、一部自己負担金、手間などを考えてどの制度を利用されるかご検討ください。


その他、もともと元気で雇用されて働いていた被保険者の方が、うつ病などの療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、支給休職される場合は健康保険組合から傷病手当金が支給されるという制度があります。
平均報酬の6割程度を、最大1年6ヶ月支給されます。
職場の人事労務担当者や社労士にご相談ください。


経済状態や支援の必要性、通院頻度などにもよりますが、3ヶ月通院するような病態なら自立支援医療の適応を考える、半年通院するような病態なら精神保健福祉手帳の取得も考える、1年半通院するような病態なら障害基礎年金の受給も考えると伝えている行政、医療機関もあるようです。

定期通院されている方で希望のある方、また必要な方は手帳や自立支援医療の有効期限をクリニックの方でも把握させていただき、ご案内できるようにいたします。




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