「がんばれ」と他人に言いたがる人たち。

新年度が始まりました。
出会いと別れ、変化の多いのが3月〜5月です。

出会いも別れも、始まりも終わりもコロナであっさりとしており、物足りないという方も、このくらいがちょどいいという方もいるかもしれません。

この時期は進学や進級、異動や昇進などの環境の変化も多くこころの不調をきたしやすい時期です
また「木の芽時」、「春ボケ」などというように精神症状も揺れやすく精神科は忙しくなる季節ですね。

新しい環境に適応できなかったり、新たな人間関係で悩んだり、仕事や学校でのあてが外れたりして、希望に燃えているはずの時期なのにどうも空回りして頑張れない、疲れがとれない。
これがいわゆる「5月病」です。

そんな季節、みなさんはいかがおすごしですか?

さて、先日ある学校の卒業の時に「社会人なのだからがんばれ」「がんばっているか見に行くからな」と何度もいわれて、卒業生が送り出されていたのを聞き、すごい気になってしまいました。

私自身も、働き方を変えて独立していくのにあたって「頑張ってくださいね」と何人かの方にいわれました。

日本人って本当に「がんばる」という言葉が好きなようですね。

でも、「がんばる」は英語でピッタリ当てはまる言葉はないように思います。
あえていうと「Do your best!(ベストを尽くせ)」でしょうか?



そう言いたくなる気持ちもわかりますが、「がんばれ〜」と人にすぐに言う人は、「がんばれ〜」と人に常に言われつづけてきた人なのではないでしょうか?

でも考えてみてください。
頑張っていない人なんてそもそもいないと思うのです。
だれもがそれぞれの状況の中で、めいいっぱい生き延びるために頑張っていると思いますよ。

「頑張れ」といわれたとき先が見えていて、期間限定で頑張れば報われることがわかっている時には人は頑張れるでしょう。
しかしいつまで頑張ればいいのか、先も見えない状態で、ただ頑張り続けることはできません。
もし、できるとすれば信仰か洗脳のどちらかでしょう。

だから、私は「頑張って」「頑張れ」という言葉は、本人がその言葉をもとめているスポーツの場面ででもなければまず言わないことにしています。
本人が自分で決めた目標に向かって「頑張っているね」と認めることや、ともにゴールを目指して「(いっしょに)がんばろうー」ということはあるかもしれませんが。

だから、学校の先生には「頑張れ」ではなく、「元気でな〜」と生徒を送り出してもらいたいとおもいます。
英語では「Good luck!(幸運を祈る)」「God bless you!(紙の御加護を)」でしょうか。

そして卒業した生徒にあったときには「がんばっているか?」ではなく、ぜひ「元気か?楽しくやっているか?」とたずねてほしいと思います。

そして「社会人になる」とは、相手や世間、組織に合わせて自分を押し殺して耐え忍ぶのではなく、自分らしく生きられる、場所や活動や人間関係をみつけ、自分も他社も大切にして、社会の中で生きていける人になることになることだとおもうのです。

あるピア・サポートをしている方から、「がむしゃらに頑張るのではなく、自分の持てるカードをどのように切るかを、どこに自分のリソースを配分するかを見極めることを頑張りましょう」という話を聞きました。

何をがんばり、何から逃げるのか。
それを自分で決められることこそが大事です。

自分のことを自分で決められる、結果に対して責任をとることができる。
まずはその環境を得ることにこそ頑張りましょう。
ただ頑張らされることのない状況をつくるために、頑張りましょう。

頑張りどころと逃げどころがわからない人は、それを見つけるお手伝いを診療の中でもさせていただければとおもいます。

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