知的・発達障害とアドボカシー(権利擁護)

この世の中の仕組みはますます複雑でわかりにくくなってきています。
そしてそのわかりにくさの中に様々な危険やだまし、罠に満ちています。

今だけ、金だけ、自分だけで暴走するマネー資本主義の原理の中で、人の時間やお金をかすめとっていこうとする人がウヨウヨいます。
こうした複雑さの中に知的・発達障害があるとはまり、行き詰まりやすいのです。

しかし、軽度の知的障害や、発達障害等の場合はなかなかその特性に気づかれず、適切な支援が行き届かない場合もあります。

学校教育においては教科学習は詰め込まれる割には、一番大切な自分の権利を行使し、権利を守り、他者の権利を侵害しないという、社会で生きていくために最低限必要な情報や選択肢が実は本人に分かる形で伝えられていません。

また、せっかく発展したICTツール(タブレットなど)は計算や読み書きなど、学習障害や知的なハンディキャップを補い学びを助けてくれる可能性に満ちていますが、なかなか子どものうちから活用されていない現状があります。

そして親や学校が必死に教える学業にはついていけなくなり、学力や学歴偏重の空気の中では知的障害があると自己肯定感が下がります。その一方で、彼らのための生涯教育の仕組みはほとんどありません。

スケジュールや、お金まわり、性と権利まわりこそ、きちんと丁寧に伝えられてしかるべきなのですが・・。
さらに最近はネットやゲームのあたりも教えるノウハウが大人側にないこともあり野放しに近くなっていることから様々な問題が起きてきています。

親にも余裕がなかったり、障害があったりで、そういったことが子どもにうまく伝えられない場合など見事に抜け落ちてしまっています。
だれが責任をもって丁寧にこのあたりを伝えていくのか、本当に課題だと思います。

そうして丸腰のまま社会に出されても、多くの仕事が機械やAIに置き換えられている現在、就労の場も限られてしまいがちで、引きこもったりします。

見えないものを想像できない、特に時間の見通しを持ちにくかったり、数の大きさなどを概念的わかりにくかったり、忘れっぽかったり、衝動的すぎるという方は、生活が苦しい状況に追いやられてうつになったりということもあります。

恋愛や結婚などのパートナーシップや、結婚しても育児などで非常に苦労する方も多いです。
「ケーキを切れない非行少年たち(宮口 幸治著)」や「累犯障害者」「刑務所しか居場所のない人たち」(山本譲司著)などの本に述べられているように、法に触れて、少年院や刑務所などではじめて知的発達障害が見いだされるということも多いのです。

そして親族に支えられてきた方は親なきあと、どこで、だれと、何をして生きていくのかということもあります。
しかしこのテーマについて医療の立場からまとまった話を聞く機会というのはなかなかありませんでした。


そこで、ですよ。

私も関わらせていただいている、今年度の信州大学子どものこころ診療部セミナーは、「軽度知的障害におけるライフステージごとの課題」がテーマなんです。
この分野の第一人者である有賀道生先生にお話しいただきます。

そして、それに引き続き、本田秀夫先生とともに皆様から寄せられた質疑に答えるという豪華な構成となっております。
参加無料で、YoutubeLiveでオンラインで全国からどこからでも参加でき、1ヶ月間の見逃し配信も予定しています。

この機会にこのテーマについて一緒に学びませんか。

申込みはこちらから。
質問やご意見もぜひお寄せください。

私も、このあたりの課題に対して、教育や福祉とも協業しつつ積極的に取り組みたいと考えています。

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