ジェネリック医薬品と流通不安定

今回はお薬のお話です。

院内調剤は今年度いっぱい(3月まで)で原則中止いたします。

当院ではこれまで長らく院内調剤もおこなってきました。

これは開業時に、もともと隣に調剤薬局が入る話ですすめていたのですが、その話が破綻となり、分包機も買取って院内処方にしたということもあるそうです。調剤薬局にいって調剤をしてもらうなどのことが大変な方もおり、調剤も含めてクリニック1か所で完結することは便利で意味があったと思います。

しかし、徐々に薬の種類も増え、調剤や、在庫管理なども大変になってきていました。
また医師が増え、それぞれで自家薬籠中の使い慣れているお薬が少々異なること、棚にも限りがあり薬剤や剤形もあまりそろえられないこともあります。またコンサータなど流通管理が厳しいお薬はおけないこと、ジェネリック薬品が流通不安定となっており対応が難しいこと、薬剤師がおらず、散剤(粉薬)は医師が計測して調剤しなければならないこと、調剤が集中するとスタッフが大変なことなどもあります。

今は政策的にも医薬分業が推進されており、僻地でもないため申し訳ありませんが今年度いっぱい(2022年3月まで)で院内処方は終了にして院外調剤を原則にする方針です。
すでに新規の患者さんは、院外処方を原則でお願いしています。

クリニック待合室にFAXを設置しておりますので、処方箋をうけとったら薬局にFAXしておいていただき、帰りに薬局に寄ってお薬を引き換えにいっていただければとおもいます。
なお自立支援医療を利用されている方で薬局の指定をされていない方は、役所に行って薬局の指定をお願いします。自宅の近くの薬局や、とをしやなどの調剤薬局のあるドラッグストア、クリニック近くの薬局などを指定していただければと思います。総合病院の門前薬局、大手薬局、とをしやなどのチェーン、精神科病院やメンタルクリニックの近くの薬局は向精神薬(精神科で使うお薬)を置いていると思いますが、開業医院の門前の薬局などは扱っている薬の種類は少ないかもしれません。もちろんどの薬局でも取り寄せてくれ、薬局ごとのネットワークで融通はしあってくれはします。コンサータだけは小規模の薬局では扱っていない可能性もあるのでご注意ください。

ちなみに信大病院前の薬剤師会営薬局(会営薬局)はあらゆる薬があることになっています。また、とをしや薬局やフロンティア薬局、土屋薬局などのチェーンの薬局もグループの内部でのお薬の融通はやりやすいとおもわれます。

ジェネリック医薬品について



さて、先発品の成分特許(20~25年の間)が切れると、ジェネリック医薬品が複数の医薬品メーカーから販売されます。

特許をとってから薬が市販されるまでも臨床試験などがありますので、先発品メーカーが稼げるの期間はそれほど長くはありません。ですので新薬のプロモーションに力をいれるのです。
ジェネリック医薬品は、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を使っており、開発費もさほどかかりません。
品質、効き目、安全性が同等とされていますが、基材(有効成分以外の配合)などが異なることもあり、敏感な方はきき方も少々違うと感じる方もいるようです。医師によっては抗てんかん薬などは先発品を指定する人もいます。




ジェネリック医薬品は製品によっては、服用しやすいように大きさや味・香りなどを改良したものもあります。
たとえばストラテラ(薬品名アトモキセチン)の先発品はカプセル製剤で、ジェネリック医薬品には先発品に色や形などを先発品に似せたそっくりさんもありますが、メーカによっては錠剤もあり(アトモキセチン錠40mg(トーワ))カプセルを飲むのが苦手な方には人気で指名されることもあるようです。またクエチアピンの12.5mg錠(先発品はセロクエル)など、先発品にない剤形があったりしてありがたかったりもします。

ジェネリック医薬品は新薬に比べ開発費が少ないために、だいたい先発品の半額〜2/3程度の薬価となります。薬価は国が決める公定価格であり先発品はジェネリックが出てもそれに合わせて簡単には値下げできないため、先発品メーカーの息のかかったメーカーで先発品と同じ製法、品質で(場合によっては同じライン)でジェネリックをつくるオーソライズドジェネリック(AG)というものもあるようです。
先発品と同様の信頼性でジェネリック医薬品の価格なのはお得ですね。

80%はジェネリック医薬品にすると目標を掲げて邁進する国の誘導により、後発品(ジェネリック医薬品)が発売されているものは、だいたいジェネリックで調剤されることになります。医療機関から発行される処方箋が先発医薬品の記載であっても、医師からの「変更不可」の指示がない限りは、薬局でジェネリック医薬品を選択して利用することができるようになっています。医療費削減の方針からジェネリック医薬品を使うことで、診療報酬に誘導をかけています。たとえば医療機関、薬局に少々ですがジェネリックを使うとそれぞれ保険請求上の加算(2点=20円など)があるなどのインセンティブをつけています。

後発品置換率等で加算や減産もありますので調剤薬局ではできるだけジェネリックに変更をすすめてきます。

こういう理由で患者はジェネリックをすすめられるわけですが、不安からジェネリックに変えるのを拒否したらさんざん嫌味をいわれて怖くなり薬局にいけなくなってしまった人もいました。

国のジェネリック施策の不備だと思うのですが、ジェネリックごとで微妙に効能効果、用法用量等に違いのある(適応不一致)などこまります。(アリピプラゾールなど、メーカにより先発品にある適応がなかったりする。)効能効果、用法用量等に違い、流通不安定や呼称の問題など、ジェネリックを推進するのであれば、このあたりは国がきちんと主導して整備してほしいところです。


同じお薬なのに2種類の名前がややこしい

お薬の名前としては診察室ではジェネリックがでるまでは薬品名、ジェネリックがでると一般名を使うことがおおいです。医師や薬剤師は一般名と薬品名の両方を覚えていますが、患者さんにとってはジェネリックが登場して変更となると突然名前がかわるので、同じ薬でだといっても慣れ親しんだ名前とかわるのも困ると思います。
ちなみに、セレニカとデパケン(バルプロ酸Na)、サイレースとロヒプノール(フルニトラゼパム)、セレネースとリントン(ハロペリドール)、リフレックスとレメロン(ミルタザピン)など同じ成分の先発品が複数のメーカーから出ている場合もありややこしい。
ちなみに最近のジェネリック医薬品は、薬品名(メーカー名)で統一されておりますが、先発品名+ゾロ(製薬会社名)としてくれればよかったのにと思います。
ちなみにゾロはジェネリック医薬品の通称で、特許が切れると後発品がゾロゾロでてきたことによります。

先発品:ジプレキサザイディス錠、リーマス錠、ワイパックス錠
後発品例:オランザピンOD錠(トーワ)、炭酸リチウム錠(アメル)、ロラゼパム錠(日医工)

また、「アメル」「サワイ」「トーワ」というようなものはジェネリックのブランド名であり、PTPに一般名の他にこれらのブランド名を書いているためにこれが薬の名前だと思っている人がときどきいます。特に共和薬品のブランドの「アメル」は薬の名前っぽいので、これを薬の名前とおもっている人がときどきいらっしゃいます。

お薬の期待される効果や、副作用などに関しては診察の時にお伝えしておりますが、薬剤師にも相談できます。副作用があったり容量用法などに疑問があれば、薬局の薬剤師は処方した医師に疑義照会する義務があり、これがダブルチェック(処方監査)の役割を果たしています。

服薬されている方は自分が飲んでいるお薬を知っておくこと、災害時や緊急受診が必要なときに備えて、お薬手帳を活用されることをおすすめします。









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